手取川 | 吉田酒造店


当店でお取扱いのある酒蔵さんたちとの交流の中で、発見した魅力をお伝えする Watagomeets

 

第5回は、不易流行を大切にし、石川で「手取川」を醸す #吉田酒造店 さんです!

 

当店スタッフの中でもファンが元々多かった「手取川」、取扱開始を機に蔵へ伺い、現7代目蔵元の吉田泰之(やすゆき)さんにお話を伺ってきました!「歴史📚」「7代目蔵元について🍶」「今の吉田酒造店の取り組み🌏」についてお話ししていきます!

 

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吉田酒造店さんは1870年創業。その後の歴史は、戦争下で金属製器具を国に供出、そして母家全焼など、幾度も大きな困難を越えてきました。その中でも代々の蔵元が前向きに挑戦を続け、繋いできた酒蔵です。

そして創業から152年続いてきたのが銘柄「手取川」

地元の環境を反映し、地元に愛され、今では全国、さらに世界中で親しまれています!

 

「手取川」、そして石川のお酒を代表する醸造スタイルが「山廃造り」。生酛造りと似た、自然界の乳酸菌を取り込む伝統的なお酒の造り方です。石川の酒造りを支えてきたのは能登杜氏!冬は特に風が強く、新鮮なものがとれない能登地方では、味が濃く、保存できる料理が作られてきました。それに合うのが、コクがあり燗映えするお酒。こうして彼らが得意としてきたのが石川の山廃です。

「手取川」の大定番も、山廃純米!スッキリと、キレの良い中に、甘みと酸の心地よいバランスと、深い旨味を感じる、万能なお酒です。このお酒を作り続けるため、醸造技術だけでなく、原料となる水・田んぼなどの環境への取り組みを行うのが、吉田酒造店さん!

 

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先代から地元農家さんと契約するなど地元の農家や環境を大切にしてきた酒蔵さんですが、その動きを加速させているのが今の7代目・泰之さん。自然豊かな白山市で生まれ育ち、大人になった今も登山などを通して自然に親しんでいます。

 

イギリス留学の際に、ヨーロッパで進む環境配慮の動きに触れます。引越しの時は、家具は元々あるものを住人が代々使い、古いものを大切にする。また現地企業がエネルギー使用を中心に、気候問題に積極的に取り組んでいるのを目の当たりにしました。反対に帰国後は、多くの人が環境問題に無関心であることに気づきます。例えば、ファッションをはじめ疑問持たずに大量消費していること。(「どうせ安いから買おう!」→そしてすぐゴミになる、無くしてしまいもう一度買うなど)地元石川では、降雪量の減少(気候変動の影響と思われる)に対して、周囲の人々は「最近は雪かきをしなくていい」「雪が少ないと生活しやすいね」と、変化する気候に危機感がないこと。

 

さらに、手取川の扇状地である平野に位置する吉田酒造店。地元農家の高齢化による休耕田の増加とともに、増える工場やショッピングモール。景観の変化だけでなく、酒造りに直接関わる水質の変化や、その結果、米の出来にも影響することが考えられます。

 

この地が紡いできた、小さい頃親しんだ美しい自然が失われ始めている。けど皆、何食わぬ顔で生活している。

そこで、強く危機感を感じた泰之さん。

 

美味しいお酒は、綺麗な自然があってこそ。

「自然と共存し、食と人だけでなく自然にも寄り添う酒造りを目指す!」

 

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そして酒蔵としてできるところから動き始めました。

今のメインの取り組みは以下2つ!

 

「地域の自然を守る米作り」

なぜ?→地域に休耕田が増える中、これからも良い酒造りを続けるには地元産米にこだわり、農地を復活させ、地域の自然を守る必要があるから!

どうやって?→地元の農家さんと蔵独自の「酒米振興会」を結成。米の特徴を理解して、その性質を最大限に活かした酒造りを目指す。農繁期には蔵人が農家で研修、冬には農家の若手が酒造りを行う。蔵人はお米の、農家さんは酒造りの理解が深まり、チームで話し合えるようになったそうです!現在、吉田酒造店で使う原料米の7割は、地元・白山産のお米です。

 

「電気使用量を抑えた酒造り」

なぜ?→大量の電気が必要な現代の贅沢な酒造り環境(年間で約80万キロワットほど)は持続可能ではないから!

どうやって?→フレッシュで綺麗な味わいを保ちながらも、常温で流通・保存できる酒造りや火入れ技術に挑戦。瓶詰め場は、地下水の循環によって冷却。など蔵全体、そして流通の面でも電力量削減に取り組んでいます。さらに使用する電力は、再生可能エネルギーの供給企業からの購入に切り替えました。

近年の酒造りは、技術発展のおかげで、全国的なお酒の質は飛躍的に向上。一方、その代償として、ものすごい量の電気を使うようにもなりました。日本酒文化を未来にも残すには、冷蔵技術に依存しすぎないお酒を造っていくことも必要です。

 

酒造りを手段として、環境危機にも警鐘を鳴らそう。

今の取り組みを始めた頃は、「そんなことするなら、まずは美味しいお酒をつくれ」など言われたこともあるそう。それでも、自分が見て、感じたことを信じ、共感する仲間を少しずつ増やしながら信念を貫いている泰之さん。

 

蔵の伝統、お酒の原点は何かを大切にしながら、

今自分達にできることは何かを常に考え行動されています。

ぜひ、吉田酒造店さんのお酒を飲んで

泰之さんの熱い想いも感じ取ってください!