わたご酒店スタッフが定期的に行なっている造り手の方との交流の中で、発見した魅了を文字起こししてお伝えするWatago meets
第2回目は、いつもどんな食事にも寄り添ってくれる、米味豊かで清涼感のある「神雷」を醸す三輪酒造(広島)の杜氏・三輪裕治さんにお話を伺いました!
今回も文字数多めです!!
トピックス一覧
・三輪さんについて
・神雷が人気になるまで
・いい音といい酒の共通点
[三輪さんについて]
三輪さんは先代の前職の関係で小学校6年までは
東京目黒生まれ・東京育ち🗼
さらにインドでも暮らしたことのある、
異色の幼少期を過ごしています🇮🇳
先代が蔵を継ぐタイミングで広島へ引っ越しますが、
その後も三輪さん自身は
大学や就職(エンジニア)で東京に居たそうで、
三輪酒造さんへ帰られたのは16年前の30歳のとき。
もともと絵を描くことが好きな三輪さん。
絵の先生をされていた方が、衣食住に関わる仕事を
かなり尊敬されていたことがずっと心の中にあり、
いつかはものづくりの仕事がしたいと思っていたそうで、
ご実家の三輪酒造さんへ入られました。
🧒🏻(すごい環境、、、いろんな場所での生活を経験しているからこそ三輪さんは考え方が広いんですね!)
[神雷が人気のお酒になるまで]
1716年創業の三輪酒造。
もともとは長い間広島・西条の大きな蔵に向けた
「桶売り」がメインの蔵でした。
ところが三輪さんが蔵に入ったタイミングでなんと
「3年後からおさめなくても大丈夫です」との通達を受けます。
このタイミングで全体の製造量がガクッと減少。
三輪さんはこのピンチを「自社のブランドを作っていくにはいいきっかけになる」と捉え、神雷の新しい挑戦が始まりました!
地元の酒屋さんに足蹴く試飲サンプルをもっていっては、アドバイスをもらう。
それを繰り返しながら、タンク貯蔵しかなかったが瓶貯蔵する設備を増やし、冷蔵庫を増やして一歩ずつ進まれました。
神雷さんのお酒の味わいに共通するのは、「米味豊か」で「清涼感」があり、そして「深み」のあるお酒です。
この味わいが生まれるには大きく4つの要因があります!
1️⃣三輪酒造さんは標高500mのかなり寒冷な地に位置しています。冬は-15度くらいまで下がる、新潟よりも寒い地域です。寒すぎて酵母無添加の生酛などは造りがとても大変なんだそうですが、この寒さによって醪(もろみ)の発酵がゆるやかに進みきれいな清涼感のある味わいが生まれます。
2️⃣広島の軟水を活用した造りで、
口当たり柔らかい、風味豊かな味わいが生まれます。
(広島は軟水醸造発祥の地!詳しくは前回の富久長さんの投稿をチェック!)
3️⃣過去に桶売り先だった蔵の杜氏さんに
強く要求された「苦味や渋みを消す」麹作りの技術は
今もきれいな味わいのお酒ができる要因になっています。
4️⃣広島県産の千本錦と八反錦を使った純米酒では特に、広島の風土をお米からも感じ取ることができます。
➡️三輪さん自身がどういうお酒が好きか、ということ以前に
「日本の自然があるからできる日本酒」
「神石高原だから作れるお酒の味わい」
自然の恵みへの感謝を表せるお酒を作ってらっしゃいます。
🧒🏻(広島に新潟よりも寒い地域があるなんて知らなかった、、、前回の富久長・今田さんもおっしゃってたけど、広島は自然の恵みが豊富な地域だな〜、羨ましい!)
[いい音といい酒の共通点]
最後に。ジャズも嗜むおしゃれな三輪さん。
いい音といい酒には共通点があるんだそうです!
それは「倍音」があるかどうか。
いい音は倍音が多くある音のこと。
いろんな音が重なることで豊かな音に聞こえるそうです。
さて、倍音がなるとどうなるのか。
倍音を聞くと人は「なんか、いいな〜」と思うそうです。
決して「あ、倍音だ。つまりいい音だ」というふうには思わないそうで、意識せずとも心地よく感じます。
さらに倍音はいろんな音と綺麗に交わることができます。
お酒でも同じように、
いろんな味わいがあるお酒は、
飲むと「なんかすごく美味しい」という感覚になったり、
どんな料理ともとても合うのです。
一つのものに見えても、いろんな味わいの層があるお酒を
造り続けるために、三輪さんは造りの過程でも
新しいアレンジ方法をしてみるなど、
さらに味わいに「倍音」と生み出していくために挑戦を続けています。
🧒🏻(確かにわたし、神雷さんのお酒、他と違ってなんかとても心地よいな〜って思ってたんです、そこに三輪さんの哲学があったのかー!💡)
今回も長く、また専門的なお話が多くなりましたが、
気になったことがあれば是非店頭でお声がけください✨
神雷さんのお酒、
今は秋あがりも絶賛人気中です!
10月に入ったら新商品入ってくるそうです!
楽しみだ〜〜〜〜〜〜〜!⚡️(サンゴ )